5月10日付けの質問状に対する回答を農林水産省より昨日受け取った。日本政府が定めた「海外投資促進に関する指針」が現実的には全く意味を持たないことを確認するとともに、現在FAOなどで議論されている「責任ある農業投資に関する行動原則」も法的な拘束力を持たせない限り機能することはないだろうことを改めて確認するものとなった。
「指針」では「政府及び関係機関は、本指針に基づいて海外農業投資の促進策を講ずるに当たり、以下の行動原則との整合性を確認する」と定められおり、それに基づいて2ヶ月以上前に、「土地収奪を引き起こす」という現地からの抗議の声に基づき、情報収集の状況と問題への対処について質問したものである。
しかしながら回答は「申し入れの事実関係として、伊藤忠商事と日揮株式会社に伝達して事情を聞いた」というに留まっている。つまり、「指針」との整合性については全く確認されていない。
法的な拘束力を持たせない限り、既存の国際法と明確に結びつ、その執行のための制度を整備しない限り「現地の人々にとって土地の収奪につながることがない」ような責任ある農業投資を進めることは非常に難しい。
FAOでは早々にインターネットを利用したコンサルテーションを実施するようであり、ここにも是非声をあげていくことが求められている。
http://www.fao.org/economic/est/investments/building-international-concensus-on-rai-principles/en/
開発と権利のための行動センター
青西靖夫
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